某地域包括支援センター職員のひとりごと

高齢者福祉に従事している社会福祉士の筆者が、様々なネタを書いていきます。30年近く、アマチュアですが音楽と関わっています。皆様のお役に立てれば幸いです。

簡易版介護施設見学マニュアル

みなさんの住んでいる地域(山間部やへき地を除く)にも、数多くの施設があると思います。

今回は施設職員目線から施設を見学する際に有用な情報を発信したいと思います。

 

まずはじめに

見学したい・利用したい施設をピックアップする。

インターネットが幅広い年齢層に普及した昨今では、ホームページを持っている施設が増えてきました。

ですが、ホームページやブログを持っていない施設も存在します。

私の住む地域には、ホームページを持っていない事業所で、とても対応の良いところがありました。

情報収集は大切です。

WEB上の検索だけでなく、最寄の居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)や市町村の介護保険係にも、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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「特浴・ハーバード浴」

SONY DSLR-A350TAMRON AF18-200mmF3.5~6.3 XR DI2 A14N 

f/7.1 1/80 ISO100

 

ストレッチャーの上に横になったまま、入浴できる機械です。

高いものだと1000万円Over…。

 

施設が決まったら問い合わせる。

直接、行くより必ず問い合わせしましょう。

理由は事業所も仕事の都合、人員不足、守秘義務の兼ね合いがあり、いきなり来られると困るからです。

仕事の都合とは送迎や担当者会議、契約などが関係します。

実際に見学の案内をするのは(生活)相談員が多いと思われます。

相談員は上記の仕事をすることが多く、外出して不在のことも多々あります。

様々な報道にもあるように、人材不足は深刻で、見学者の受け入れに余裕がないこともあります。

特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)では100名規模の施設もあり、個人情報の塊のようなものです。

わけありの入所者もいるかもしれません。

「お客様」としての見学ですが、介護現場には様々な事情があります。

 

高齢者を「良く」みてもらいたいのであれば、双方に良い関係を築くことが最良の策です。

もしかしたら長い付き合いになるかもしれないので、お互いに気持ちよく見学できるようにしたいですね。

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「食事形態」

SONY DSLR-A350TAMRON AF18-200mmF3.5~6.3 XR DI2 A14N 

f/5 1/60 ISO100

 

ここで留意点を。

食事の時間は避けて、13時頃がベスト。

特養には要介護3~5と手がかかる方や、認知症が著しく進行している方が多く入所されています。

たいていの施設で、食事の時間は余裕がありません。

口腔体操、配膳、食事介助、口腔ケア、トイレ介助、ナースコール対応、その他問題行動への対応など全てを同時に若しくは、一連の流れで行う必要があるからです。

介助されている高齢者・誤嚥騒ぎ・急変・嘔吐・出血など、初めて見学する人にとっては様々な意味で「カルチャーショック」が大きいでしょう。

忙しい時間は避けて、ゆっくりと説明を聞きましょう。

様々な著書に「食事の内容が大切」と書かれていますが、大規模施設での食事は医療食品の業者に委託していることが多く、質は似たり寄ったりのことが少なくありません。

一方で、小規模施設では食事を「ウリ」にしているところもあるので、メニュー等を問い合わせてみるのも良いでしょう。

 

デイサービスの場合は入浴の時間を事前に問い合わせると良いと思います。

入浴時間を避ければ、デイサービスのメインとなる「お風呂」を見学できることが多いからです。

入浴介助の時間中、浴室に裸の利用者がいる場合、見せられるはずもありません。

 

見るべきところは車椅子。

「細部に神は宿る。」と言われるように、車椅子がきれいに保たれている施設は総合的に目配り・気配りができている印象です。

タイヤがつぶれていないか・食べこぼしが放置されていないかなどをチェックすることで、事故防止・衛生面(感染症対策)でのポリシーが伺えます。

車椅子のタイヤがつぶれていると、ブレーキが利かず移乗(トランスファー)の介助を行う際、転倒・転落等の危険が伴います。

食べこぼしを放置すると、雑菌の繁殖やカビの発生などの原因となり、それに起因する発熱等の感染症につながります。

車椅子にメンテナンスを行った日時等が貼り付けてあれば完璧ですね。

また車椅子に重さが書いてあることもあります。

体重測定を行うためのものであり、「クッション込み」などの表記があれば、個別性を尊重しているとも考えられ、良いと思います。

原則として車椅子は移動する手段です。

居室等から車椅子で移動して、椅子に座ってもらうのが常識で、監査(実地指導)でもそのような見解です。

フロアのテーブルに車椅子に座った利用者が並んでいる施設は、その原則を理解していない、若しくは人手不足なのでしょう。

当方の事業所では…。

 

昼休みに、にごったお茶を飲みながらコツコツと書きました。

以上が私の簡易版施設見学マニュアルとなります。

新たに気付いた点がありましたら追記予定です。

ご参考になれば幸いです。